大学生時代、機械に関わる仕事がしたいという理由で私立大学の機械工学科に進学した私は、無難に進級して4回生になった時、ゼミの担当教授から「協力会社の研究部署に出向して、そこで卒業研究をしてほしい」と言われました。
ゼミの中でも1人で孤立していたので、白羽の矢を立てるのに丁度良かったのでしょう。私も『1人で研究できるならそっちの方がいい』と思ったので、出向を了承しました。
出向先は製鋼業の大企業で、研究内容は基礎研究のデータ収集でした。研究室の皆さんは歓迎してくれて、どういう条件でデータを集め、どのようにグラフ化すればいいのか教えてくれたので、後は卒論を書くだけまでおぜん立てがされていて、卒論も添削してくれると、非常に好待遇でした。
まぁ、そのデータを集めるのに1年かかったわけですが(笑)。
本当は半年ちょっとで終わる作業だったんですが、前任のゼミ生が作ったシミュレーション条件の間違いを見つけてしまったため、全データをシミュレートし直しになり、掛かりきりでギリギリのスケジュールになってしまいました(苦笑)。
そんなその年のゴールデンウィークに研究室の室長から大目玉をくらいました。「出向しているのだからウチのカレンダーに従ってくれなきゃ困る」と言われたのです。
そんなことは誰にも聞いていなかったので、大学のスケジュール通りに休んでしまったんですね。
「初めて聞きました、そんな大切なことは最初に教えてください」とこっちに責任がないことはアピールしておきましたが、非常に困ったことになったとも思っていました
「う~ん、就活するには会社休まなきゃいけないし、頼んだら休ませてくれるかな?でも今のペースじゃシミュレーションが間に合うか怪しい。一発で面接受かるような奇跡でも起きなきゃ、卒論間に合わなくて最悪のパターンになるぞ……」
私は団塊ジュニア世代の終わり頃の世代だったので、ちょうど就職氷河期の真っ只中でした。求人状況も最悪なうえに、出向先に出勤しなければならないため、就活の時間が取れなくなってしまったのです。
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