前項のような教育を受けて2年が過ぎたころ、私に国外のタイ工場への異動の内示がありました。

 私に工程設計を重点的に教えていたのはタイ工場営業部がだしてくる工程設計依頼書を捌けるようにという思惑もあったのでしょう。

 しかし私は顧問と課長に修正してもらわなければ認められる工程設計が書けないため、1人でタイに放り出されてもまともに工程設計は出来ず、性格上1人で抱え込んで潰れてしまう事が目に見えている。と工場長兼務部長に異動辞退を訴えました

 その結果、工程設計の勉強を私と一緒に受けていた部下がタイに行くことになりましたわからないことがあれば私達本社の生技がフォローする事を約束してです。

 その結果、部下がやっていた試作の準備や金型の発注、受入れなどの日常業務を全部私が担当することになりました工程設計はもちろん継続です

 日常業務の金型の発注と受入れには、発注した金型工場から提出された予定納期の1週間前と3日前に進捗確認の電話を入れる事入荷したら品番と数があっている事を確認する事金型の寸法を確認する事までを、朝に30分で終わらせるというルールがありました。

 試作の回数が少なく、金型が5種類ぐらいなどの簡単な時なら回せますが、当時は試作が立て込んでおり、月に2回は試作を行っていました。しかも新規製品の試作なので金型の種類は60種以上、予備を含めた金型点数は100個以上の上、発注先は3~4社これが月に2~3回となると、金型納入日は入り混じって進捗確認はままならなくなり1日に10個20個と納品されるため確認と測定を30分で終わらせることは不可能です

 これで遅くなると、「なんでこんなに時間がかかるんだ、俺の時は~」とフロアの真ん中で説教の名を借りた人格否定がだいたい昼休みのチャイムまで続きます

 言うまでもなく、私の精神は強烈なストレスを受けました

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Namisaki

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