卒論発表に問題なく合格して大学を卒業し、斡旋してもらった会社に入社して初期研修が終わると、希望部署を聞かれました。
機械を触る仕事がしたくて機械工学科に進学した私はもちろん製造部を希望し、希望通りに製造部に配属される事が出来ました。
187cm、80kgと体格に恵まれている私は、製品の段取替え(製造製品を変更するための機械の加工部品の変更作業)に腕力が必要な、1番大型の冷間鍛造機械の担当になりました。
手が大きすぎて、小さな設備では手が入らず段取替えができなかったせいでもありますけどね(笑)。
私の主な仕事は、担当機械の製品の検査と製品缶の移動、材料の補充、不具合品が発生した場合の対処、生産目標を達成した製品の生産数を後工程に報告、段取替え作業、日報の作成、掃除等の日常作業を行いながら機械に習熟し、生産が遅れている機械があれば応援に行ったりしていました。
そしてこの仕事を覚えるには、トラブル対応も含めて機械を回せるようになるのに1年、完全に一人で回せるようになるには3年かかると言われていました。
多数ある生産品目の中には、注文数が多く毎月生産する製品もあれば、3~4か月に1回生産する製品、年に1回生産する製品、私の在任中には1度も生産しなかった製品もありました。
つまり、生産回数が多い製品は測定方法や寸法の調整方法、トラブル時の対処方もすぐに覚えられますが、年に1回生産する製品を覚えるには3年かけて3回生産して生産の仕方を覚える。そこまでできるようになれば、初めての製品でも寸法が変化するところ、加工金型の負荷がかかりやすく壊れやすい所を見極められるようになっている、という事です。
つまり、ここまで出来てようやく1人前という事ですね。
実際私も3年間同じ機械を担当し続けた後、部署内の多能工化のために別の機械に1年間の異動、5年目は元の機械に戻り、他の作業者に機械の教育を行ったりしていました。
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